拝啓 暦の上では立春とは申せ、まだまだ寒い日が続いております。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
今月は珍しいお客様がみえました。当社では通常蔵見学はお断りしているのですが、漫画家で純米酒普及推進委員会委員長の高瀬斉(たかせ ひとし)先生御一行とあって、臥龍梅の古木のある興津、清見寺から蔵までご案内いたしました。中には「臥龍梅応援団長」の肩書きを名刺に刷り込んでいる方もおいでになり、さすがつわものぞろいで、この飲みっぷりをご覧ください。これが先生に描いていただいた小生の似顔絵ですが、自分はこんな顔だったのかとがっくりしております。
これまで売掛を担当してまいりました高橋(写真前列中央 大吟醸の壜を持っています)が、三月末の出産を控え、今月末をもって退職することになりました。お世話になった皆様にこの場を借りてご報告、御礼申し上げます。なお、後任は新人の三浦(写真 高橋の左隣)が担当させていただきます。何分不慣れなためご迷惑をお掛けすることもあろうかと存じますが、よろしくお願いいたします。
今月の蔵人紹介コーナーは今年から頭として当社に蔵入りした谷地舘 好生(やちだて よしお)さんです。(ご出身は?) 岩手県紫波郡紫波町です。(めずらしい苗字ですが、紫波町には谷地舘姓の方はたくさんいらっしゃるのですか?) 地元でもめずらしい苗字で、紫波町近隣で8軒ほど、岩手県全体でも12軒ほどしかおりません。どうやらご先祖さまは武士だったらしく、家には刀も残されています。(氏族のご出身なので
すね。お生まれは?) 昭和18年ですので、菅原杜氏と同い年の64歳です。(酒造歴は?) 昭和37年にこの道に入りましたので今年で45年になります。(静岡は初めてと聞きましたが、どんな印象ですか?) 暖かくて人が住むにはよいところですが、酒造りにはちょっと苦労しますね。(夏場、岩手ではどんな仕事をされていますか?) 米作りのほか、畑ではきゅうりをたくさん作っています。(趣味は?) 特別にありませんが、しいて言えばカラオケに行くくらいでしょうか。(酒造りの仕事について大切なことは何ですか?) 手を抜かない、ごまかさないということです。(全国のご愛飲家の皆様へ一言メッセージを!) 自分で言うのも何ですが、臥龍梅はまことにもって美味しいお酒ですので、皆さんどうぞたくさん召し上がってください。(ご先祖様は武士だそうですが、いつもにこにこと温和な笑顔の谷地舘さんでした。今期の酒造りも残すところあと2ヶ月ちょっと。疲れもたまってきた頃だと思いますが、どうか最後まで無事に勤めてください。)

さて、今月は「誉富士」を用いた純米吟醸酒をご案内いたします。静岡県が新たに開発した酒造好適米を用いて、臥龍梅ならではのお酒に醸しました。是非ともお試しください。
余寒の候、お身体をたいせつに。                       敬具
平成二十年二月吉日                    鈴木克昌 

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