「臥龍梅」蔵便り  平成十七年葉月

拝啓 残暑きびしきおりから皆様いかがお過ごしでしょうか。今月は先ずご報告することが2件あります。「臥龍梅」ラベルの書体は地元、静岡市在住の著名な書道家、渡辺墨仙先生にお願いして書いてもらったものですが、その渡辺先生が平成十七年度毎日書道顕彰を受賞されました。先生は日本書道美術院常任理事を勤められ、日展入賞8回を皮切りに、オリベッティ国際賞等、数多の受賞経験がありますが、その受賞暦がいちだんと栄えあるものとなりました。紀宮様のご婚礼のちょうど一ヶ月前の10月に、同じ会場の帝国ホテル孔雀の間にて祝賀パーティーを開催予定とのことです。
さて、以前、この蔵便りでもご報告しましたが、静岡県農業試験場が「山田錦」を越える品質の酒米を開発したとして、7月28日の静岡新聞に大きく取り上げられました。現在の名前は仮称で「静系(酒)88号」。丈の長さは山田錦より25cm短く、収量と玄米の粒の大きさはほぼ同じで、心白は山田錦より大きく、酒米として理想的です。弊社では早速この秋の仕込から原料米に使用いたします。お酒のできるのを楽しみにお待ちください。

後半は蔵で麹屋担当の神谷からご報告します。

神谷です。今年も南部杜氏講習会に7月末、行って来ました。このレポートもこれで3回目。そろそろネタがつきてきました。ということで今回は岩手の食べ物といきます。まず着いたその晩に食べたのがじゃじゃ麺。あったかい細めのざるうどんに肉みそがかかっているものです。味は想像どおりです。まあ食べてみてください。で、次の日の夜、蔵人の釜屋どん(推定25歳)に連れて行ってもらった居酒屋で出たのが生岩ガキ。これがてのひらサイズの大きさで、味は絶品。次に出たホヤと合わせてさすが三陸海岸(は近い)と思いました。でもって、しめは前沢牛といきたかったところですが予算の関係でカット。でも大満足でした。では本業の講習のことも少し。人の味覚は酒の温度が上がると甘さは増して、旨味は減少して感じるそうです。なので、お燗して美味しい酒は辛口で旨味が多い酒、秋上がりしたような酒がよいのではないかということでした。(神谷)

という訳で、今月はお盆明けに「ひやおろし」の原酒を二点ご案内いたします。純米吟醸と特別本醸造のそれぞれ秋上がりしたお酒を是非ともお試しください。
残暑の候、おからだには十分お気をつけられますよう。                  敬具

平成17年8月吉日                                 鈴木克昌
 

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