『臥龍梅』 蔵便り   平成十七年文月

拝啓 急に暑さを感じるようになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今月は貯蔵出荷管理の責任者、佐野からご報告いたします。

6月・・・例年、我が三和酒造では大きなイベント(?)が二つ開催されます。
ひとつは心ときめく社内旅行。昨年は台湾へ行ったのですが、今年は6月10・11日とぐっと身近な場所横浜へ行って来ました。これなら「飛行機だけは勘弁して。」という某女性社員も参加できるし、最悪自宅まで自力で帰れるってもんです。幹事さん大助かり系のナイスな企画。中華街で最高の中華を堪能し、みなとみらいで小粋なショッピング。普段見られない社員の違った一面が見られたりで、大変楽しい週末を過ごせました。私と神谷の夜の社員旅行もムフフな感じで盛り上がりました。横浜・・・最高!
もうひとつのあまり心ときめかないイベント、その名は粕掘り・・・(涙)お酒を搾る際にでる酒粕。寒いうちはそれらを新粕として主に甘酒用に販売するのですが、とても全部はさばききれません。何せ甘酒のシーズンはお酒の最需要期でもあり、粕などにかまっていられないのです。そこで、残りはタンクの中に放り込んで保存します。そして2.3ヶ月もするとタンク内で二次発酵をした酒粕はあら不思議、熟成粕に変化をするのです。つまりそれを掘り出す作業を社員総出で行うというお話なのですが、まず一人がタンクの中に入りスコップで粕をタンクの外にかき出すという作業をマシンの如く延々と繰り返します。その粕を重さを量りながら一斗缶に詰め蓋をしてパレットに積み込むという、口で言うとものすごく簡単、やってる連中は脳死状態という極めてプリミティブかつハードなお仕事なのです。佐野君の勇姿
こうやって掘り出した粕の一部は静岡の某有名ワサビ漬け会社に出荷され、また残りは夏野菜を漬ける熟成粕として地元の問屋さんを通して小売店さんの店頭に並ぶというわけです。残念ながら近年、液化仕込みの日本酒が多くなり、大手メーカーでは酒粕がほとんど出ないと聞いています。その点我が社はちゃんとやってます。粕掘りは死ぬほど大変なんですが・・・。しかし、本当に日本酒っていうのはムダのない日本の生活に密着したものなんだなぁと痛感する昨今であります。(佐野)

ご苦労様です。当社ではこのようにからだを鍛え、酷暑の夏に備えております。皆様も暑さのおりから、くれぐれもおからだをお大事に。               敬具
平成17年7月吉日 

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