『臥龍梅』 蔵便り   平成十五年八月南部杜氏伝承館 ホームページ下北見聞録さんより

拝啓 長引いていた梅雨がようやくあけたかと思ったら、西日本は猛暑、東北日本は冷夏が予想され、稲の出来具合が気がかりな今日この頃です。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
さて、当社には酒造りのプロをめざして勉強中で、今年で蔵入り四年目になる若手従業員がおります。名前を神谷昌宏と申します。ちなみに年齢は31歳でまだ独身です。(どなたかいい人がいたら紹介してください) その彼が岩手県へ酒造りの講習会に行ってまいりました。今回は趣向を変えて神谷からその講習会についてご報告申し上げます。

岩手県といえば日本三大杜氏の一つ南部杜氏のふるさとです。ここでは毎年夏に杜氏、蔵人達の酒造技術の向上を目的とした南部杜氏講習会が4日間にわたって行われていて、今年で92回を数えます。この講習会に昨年にひきつつ゛き今年も行ってきました。場所は盛岡のすこし南、石鳥谷町にある中央公民館。回りは田んぼがひろがるのどかなところです。地元岩手の人たちだけでなく誰でも自由参加なので全国の日本酒メーカーから酒造りにたずさわっている人々が参加していて、なかなかの熱気です。講義内容も最新の研究成果や情報を盛り込んだ話なのでまさに昼寝をするひまもありません。又、会場のあちこちでは杜氏や蔵人たちが情報交換するすがたが見うけられます。南部杜氏の実力の一端はこういう横のつながりにあるのだなと思う光景です。今月のレポート担当の神谷ですかくいう私も世話になった杜氏さんや蔵人さんの家に招待されたりしたので講義が終わったあともなかなかいそがしい思いをしました。尚、このあたり観光としてはこの会場のとなりに南部杜氏伝承館や昔の酒造用具を展示した歴史民族資料館があり、南部杜氏の勉強をするにはもってこいです。又、温泉もあり、帰りにひとっぷろということが出来ます。ちなみに私のおすすめは大沢温泉です。まあ、講義内容もさることながら酒造りを志している仲間に触発され、やる気が出てくるという点でも有意義な講習会でした。(神谷昌宏)


残暑の候、おからだには十分お気をつけください。                    敬具

平成十五年八月一日 

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